長年、横浜、川崎を中心に結婚相談所として会員様のお手伝いをして参りましたが、
会員様がお相手にお見合い申込みをする場合、プロフィールの全体を見ながら何とな
く『いいな!』と思うお相手にお申込みしているような気がしております。
ある程度条件を2つか3つに絞り込み、そのうえで重要なのは人が持つ様々な違いを認
め尊重することだと思います。
婚活はたくさんの人と出会うことが目的ではないのです。
ご自身と信頼関係を築き、共に人生をアップデートしていけるただ1人のお相手をご自
身なりの価値観によって見つけることなのです。
「そんな事で決めていいの?」と思うかも知れませんし、結婚当初は『こんなはずで
はなかった』と少し後悔するかもしれませんが、お互いの人生で目標に向けて覚悟を
決めるお相手であれば、充分乗り越えていけるはずです。
~最初から100%のお相手でなくても・・・~
最初から100%のお相手でなくても、 80%を2人で協力して100%に近づけていけるお
相手か否かが重要なのです。
最初から相手に盲目になりやすい恋愛結婚より、お見合い結婚の方が結婚10年後の満
足度が高いとの研究結果もあるようです
お名前は忘れましたが、これを示したのは、コロンビア大学の女性の教授だそうです
。
彼女が恋愛結婚とお見合い結婚で、結婚したカップルの結婚後の満足度を91点満足で
測ったところ、結婚後1年以内では、
恋愛結婚(70点)の方がお見合い結婚(58点)よりも満足が高かった反面、
結婚後10年を超えるところの結果が逆転し、
お見合い結婚(68点)が恋愛結婚(40点)の満足度を30点近く上回ることがわかった
のです。
最初から満足度100%の状態でゴールインした恋愛結婚のカップルは、結婚生活という
現実に直面した途端、『こんなはずではなかった』と、100%から減点法で相手を見る
ようになるのだそうです。
けれども、お見合結婚の場合、最初の段階ではお互いへの評価が少し低いため、結婚
後共に努力する傾向が強く、結果として数年後には満足度が高くなるそうです。
100%まで燃え上がった後でゴールする恋愛結婚より、共に不足を補えあって、生活
をはぐくめるようなお相手を探す、そんな視点も意識したら良いと思います。
~自由な結婚の形~
人が長きにわたる進化の過程で生き残ってこられたのは、多様性が人間存続の原点だ
そうです。
今や、多様な結婚や家族の形、すなわち夫婦別姓や事実婚、シングルマザー、養子縁
組などの多彩なバリエーションを認めるべきだと思います。
入籍しなければ、たとえ事実婚の生活が長くても夫婦として認められません。
あるテレビ番組で阿川佐和子さんが事実婚から正式に入籍した経緯を話していました
。
同居の男性が体調を崩し救急車を呼んだそうですが、正式な妻ではなかったので、一
緒に救急車に乗るまでいろいろ説明するのが大変だったそうです。
その経験から、これからもいちいち説明しなければならないのではと思い、入籍した
と言っておりました。
養子縁組の場合も、お子さんが授からなかった場合には、気軽に考えられる社会にな
って欲しいと思います。
夫婦別姓、シングルマザー、様々な手続きや混乱もあるかもしれませんが、多様な家
族の形を認める時代になって欲しいと思います。
日本の「家族」の形が大きく変わろうとしています。
「結婚して家庭を築く」は、当たり前では無くなりました。
~未婚率の高さは雇用形態や年収の格差に~
昨今の未婚率の高さは雇用形態や年収の格差と強く結びついています。
30〜34歳で既婚の男性は正規雇用では約6割ですが、
非正規では約2割しかいません。
同じく30〜34歳男性の年収と既婚の関係を見ても、
年収の500万円〜599万円では、既婚が7割超えに対し、
30〜34歳男性の年収200万円〜299万円では4割弱にとどまります。
(2022年内閣府少子化社会対策白書)
現状の未既婚だけではなく、仕事が不安定だったり、低年収だったりする人ほど、結
婚どころじゃない、そんな心の余裕はないと結婚に希望を抱いておらず、既にこうし
た傾向が女性まで広がっています。
先の内閣府の男女共同参画白書を見ても、積極的に結婚したいとは思わない理由とし
て、20〜30代独身者の4割弱が上げたのは、
男女ともに結婚生活を送る経済力がない、仕事が不安定だからでした。
男性で36.0%、女性で35.0%と回答、男女差がほとんど見られないのが実情です。
今や結婚後も何らかの仕事を続ける女性が、約8割存在し、出産後も既婚女性の4割強
しか仕事を辞めません。
~家事・育児はシェア~
若い夫婦では、夫が「僕も家事や育児を手伝うよ」と言うものなら、「共働きなんだ
から、手伝うのではなくて、シェアでしょ」と怒られる時代です。
妻が言いたくなるのも当然です。
やはり妻は週に3時間以上も夫より家事、育児にかける時間が長いとの現実があります
。
感覚的にはもっと多いように感じますが。
女性にも経済力を望むなら、男性も家事、育児に時間を増やして欲しいと思うのは、
当然だと思います。
具体的には20歳〜30歳の男性のお子さんがいらっしゃる場合、家事、育児時間を増や
したいと考える人が約3割に登り、仕事時間を増やしたいを、1割以上上回っています
。
男性の約5割が女性に経済力を求め、女性の9割以上が男性に家事、育児の能力や姿勢
協力を求める時代になりました。
女性が自分より高年収の男性と結婚したいと希望する思考は、この40年間で大きく変
わりませんでした。
その状況は年収レベルが異なる相手との結婚はどうか、民間の調査でも明らかになり
ました。
男性の間では女性の年収がかなり高くてもオーケーの回答が約7割を占めたそうです。
しかし、女性における回答は自分より低年収の男性は考えられないが約6割。
かなり低くてもオーケーの回答はなんと0%だったのです。
ただ、現実には自分の年収を下回る男性と結婚する女性も少しずつですが、増えてい
るようです。
女性も結婚後第一線で働き続けることを希望するなら、「私が頑張って稼ぐから」の
覚悟も必要だと思います。
その際は年下、あるいは自身より低年収の男性も視野に入れ、既成概念にとらわれな
い、自由な結婚の形を求めることだと思います。
既に日本では7割の夫婦が共働きです。また、今やフルタイム就業の妻を持つ家庭が約
500万世帯に登り、全体の約4割を示しているようです。
~最初から、きちんと役割分担を決める~
川崎生田相談室の元女性会員様は、地方公務員さんでした。
30代半ばなのですが、マンションを購入され、猫も飼われ、将来独身生活になる準
備を着々と進めていたのでした。
どちらかというとぽっちゃり系の体格で、美人系の顔立ちではないことを自身も気に
していたようで、結婚は諦めていたようでした。
親御さんも子供自身の事ですし、経済的にも不安もないので、見守っていたような感
じでした。
所が祖母であるお婆様が、このままではいけないと息子夫婦を説得し、女性
も結婚を諦めたわけではないので入会し婚活が始まりました。
何人の方とお見合いをし交際、そして真剣交際になり具体的な話になった時、男性に
言った言葉が「私は結婚しても働きますので、家事はお手伝いではなく、しっかり半
分にしてください。これが条件です」と、言ったそうです。
また、仕事先から遠くない、女性が購入したマンションに住むことも条件でした。
女性より年収が少し低かった男性は、快く賛成して成婚に至りました。
最初から、きちんと役割分担を決めるのも良い方法だと感心した事例でした。