~自分を知ることから始めましょう~

結婚相談所に登録する方へ、仲人は最初に確認させて頂く場合があります。

それは、自分がどんな人生を歩みたいのか、そのパートナーとどんな未来を描きたいのか案外考えたことがない方が多いので、まずは自分を知ることから考えていきましょうとお伝えします。自分を知ることでお相手にも素直に向き合えるようになるからです。

更にあせらず、誠実に向かい合う事の大切さもお話させていただきます。

結婚はゴールではなくスタートです。急ぐ必要はありません。一緒に歳を重ねたいと思える人を見つけるためには、自分の心に正直に、相手をしっかり見つめていきましょう。

登録する方の中には、過去の失恋や失敗を手放すことがなかなかできない方もいます。新しい出会いに心を開き、今のあなたを大切にしてくれる人と向き合いましょう。過ぎ去った「過去にとらわれない」ことです。

~現代の結婚事情を考えよう~

スマートフォンなどを用いてインターネット上で恋愛や結婚などを目的としたサービスを、マッチングアプリといいますが、今や若者向けだけでなく、中高年対象など年代に合わせたアプリもあるようです。

「こども家庭庁」が先月発表した調査で、直近の5年間で結婚した既婚者(39歳迄)の4人に1人がマッチングアプリで出会っていることがわかりました。

少子化対策や恋愛学に詳しい早稲田大学国際教養学部の森川教授の話が新聞に掲載されていましたのでご紹介します。

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1人の女性が生涯に産む子供の数の推計を表す「合計特殊出生率」は2023年に「1・20」と過去最低になり、日本の少子化は深刻化している。

一方で、もう一つ注目したい数値として、結婚した夫婦の最終的な子供の数を示す「完結出生子供数」がある。

これは21年に「1・90」となり、やや減少傾向ではあるが、50年間ほぼ横ばいの数値になっている。

つまり一旦結婚すれば約2人の子供を持つというのは、長年変わっていないことになる。

それでは合計特殊出生率が低下した要因は何かというと、未婚者が増えていることにある。

実際に婚姻数は23年に過去最低の474,717組となり、50歳の時点で未婚の人の割合も年々増えて続けている。

未婚者が増えている要因は何か。

複数の要因が重なっているが、最も大きいのは出会いが少ないことだ。

1960年代頃までは、若い人が多く高齢者が少ない、いわゆるピラミッド型の人口動態だった。それが今は、若い人が少なく、高齢者が多い逆ピラミッドになった。

若い人が少ないため、生活の中で自然に出会う確率が極端に減っている。

したがって、意図的に活動をしないと恋愛も結婚もできなくなっている。

もう一つは結婚そのものの価値が低下し、結婚という形にとらわれない生き方を選択する人が増えたことも要因にある。

かつては結婚したら、寂しさが解消されるし、男性なら奥さんが手料理を作ってくれるなど、結婚の価値は高かった。

今は結婚しなくても同棲すれば寂しさは解消される。食事も共働きの時代で、外食産業が発展し、おいしいものが食べられるようになった。すなわち結婚で得られるものは少なくなった。経済的な要素も大きい。特に男性はある程度の年収、社会的条件が満たされないと結婚できない状況がある。

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出会いが少ないから ➡ 未婚者が増えている

という事のようです。

これからも更にアプリを使って出会いを考える人が増えていくと思いますが、マッチングアプリの出会いはトラブルに巻き込まれるイメージがあります。

実例として、マッチングアプリとはどういうものか、興味のあったある結婚相談所経営者は、ご自分の奥様をマッチングアプリに登録を試みたら登録ができたと話をしていました。

また、もう一つ、ある結婚相談業(連盟)の社長が、仕事柄マッチングアプリを知らずに批評はできないと思い、自分の社員の年収を、大幅にアップした金額(ウソの金額)をそのまま登録したら、これまた登録できたそうです。

勿論すぐ2人は、退会をしましたが、簡単に登録できる怖さをその時知ったそうです。

これは数年前に直接仲人の定例会で私が聞いた話で、今は改善されているものもあるかもしれませんが、結婚相談所のように厳しく、独身証明書、本人確認書、卒業証明書(短大卒以上)、年収証明書(男性は必須)、公的な資格証明証が無いと登録できないというものではなさそうです。

~婚活支援の実情は?~

最近になってからですが、当川崎生田相談室に新規面談でいらした方のお話に、マッチングアプリを使っていたという方が多くなってきました。

仲人の集まりでも、その傾向性がある事は知っていましたが、リーズナブルな価格で、気安く登録できる反面、怖さを知っていながら登録している方の多さに驚くばかりです。

新規面談者にマッチングアプリでの様子を伺うと「この人、本気で結婚相手を探しているのかしら?」と思うことがあったり「もしかして、既婚者ではないかしら?」と、疑いたくなるような行動が見られたり「何回かデートを重ねていたものの、急に連絡が途絶えてしまった」など、いろいろ大変な思いをしてきた事を話してくれました。

マッチングアプリを利用して幸せになったカップルも多いかとは思いますが、中にはお相手を疑いながらデートをしなくてはならない苦しみ、この人となら!と思い始めた矢先、連絡がバタッとなくなった辛さは、本人にとっては悲しい出来事だったのだと思います。

昨今、各自治体が、又は会社の福利厚生の一部として、婚活支援をするという傾向も少しずつ多くなってきております。

特に東京都が最近開発した独自のアプリも話題になっていますので、少子化対策として大いに賛成しております。

ただ、手放しでは喜べないそれぞれの事情もあるかと思いますし、それらの機能が充分発揮できているかと思えば、そうでは無いように思います。

もともと世話好きな仲人の私は、結婚相談所を始める前にご近所の方や知り合いの中に、結婚しても良い年頃の人を見つけては、自宅に呼んでお見合いみたいなものを何回かやってきました。

ただ、知り合いには限りがありますので苦戦していたところ、東京の公の機関で、婚活支援の部署があることを知り、その方を数名送り出したり、一緒に行ったりしました。

そこには既に登録している方のお写真と簡単なプロフィールがあり、事務をしている方が1人いらっしゃいました。

そこで束になったプロフィールの中から、自分がお会いしたい方を見つけ、事務の方にそれをお伝えするのです。

その後「後で連絡します」と言ったきり何の音沙汰も無いので、お電話で伺った所、お相手の方に取り次ぎはしてくれますが、お相手からOKの連絡がなければそのままという事でした。

お相手がお会いしたいという場合のみ、連絡が来るといった内容のものでした。

しばらく待っていてもお相手から連絡がなければ、またその公の機関まで出向いて1人か2人選んで帰ってくるといったことの繰り返しでした。

余りにも反応がなく、自分のどこが悪いのか、何を直せばよいのかも全くわからないまま私の知り合いの方は、誰ともお会いすることなく、尻切れトンボ状態になってしまいました。

せっかく公の婚活機関があり、会社の福利厚生で婚活支援があっても、そこに仲人、または結婚カウンセラーが居なければ、一人で黙々と婚活するしかないと思います。それでも積極的に動く方は、他に相談する方を見つけたり、参考になる本を読んだりして決めることができますが、どちらかと言えば消極的な方や、仕事が忙しくて婚活を後回しにしてしまう方にとっては、宝の山に入っていても、何も得ることなく終わってしまい、とても勿体ないと思います。

1人1人の性格や、思い、条件などに合わせたお相手を一緒になって考える、気持ちに添ったアドバイスをする事で、婚活する方は、一歩も、二歩も進む事ができます。

婚活は孤独なものです。

誰にでも相談できるようなものでもないので、一緒になって考えてくれる、共感したりアドバイスをしてくれるような人が必要だと思います。

それが仲人だと思います。

~仲人の必要性~

婚活は時には、焦りや不安を感じるものですが、そんな時の仲人は、無理をせず、自分らしく進むこと、自分の歩幅で進む事の大切さをお伝えしています。

更に下記のように、会員様にお伝えすることがあります。

{完璧な人を探してしまう人へ}

結婚相談所で、たくさんの会員様が登録していると、ついもっと素敵な方が、もう少し条件の良い方がと、完璧な人を探してしまいますが、そんな時仲人は、お互いに成長できる関係を築ける人を選びましょうと、アドバイスすることがあります。

会員様としては、長い結婚生活では、相手の欠点を受け入れることや一緒に成長することがカギだと気づかされるかと思います。

{まず自分が幸せでいること}

自分自身が満たされていないと、どんな相手が来ても幸せを感じにくいと思います。日々の生活に感謝、何気ない言葉に喜び、たわいないことで笑うことなど、意識することで満たされていると気づくはずです。

{ご縁は必ずある、心を開いてみる}

ご縁は突然訪れることもあるため、固定概念に縛られず、柔軟でいることの大切さをお伝えしています。
ご縁はあるけれど、それを見逃さないように、心を開いている大切さです。

外見や条件よりも、自然な笑顔や明るい態度が人を惹きつけるというシンプルな真実をお教えしています。

{愛は探すものではなく育てるもの}

愛は最初から完璧ではなく、時間をかけて気づき上げるもの、育てるものだという視点もお伝えしています。

自分を幸せにしてくれる人を探すだけではなく、自分が相手にどれだけの幸せを与えられるかを考えることで、より健全な関係が築けるという事です。

{過去にとらわれない}

過去の失恋や失敗を手放すことも大切です。新しい出会いに心を開き、今のあなたを大切にしてくれる人と向き合いましょう。

{感謝の気持ちをもつ}

婚活中はうまくいかないこともありますが、出会えたことや学びに感謝する気持ちを持つと、自然とあなたの魅力が輝きます

{小さな幸せを見逃さない}

大きな条件に目を向けすぎると、小さな幸せを見落とします。一緒に食事をして楽しいと感じる、話をして安心する、そんな日常の中に幸せが隠れています。

{笑顔は最高の味方}

笑顔は人を引きつけ、信頼感を生みます。まずはあなた自身が楽しむことを心がけください。
その雰囲気が相手にも伝わります

「最初の印象より、最後にどう感じるかを大事に」

初対面の印象だけでなく、長く付き合った後の感情や信頼感が重要です。
最後にどう感じるかを大事にしたいものです。
結婚は人生という長い旅路を共にすること。
長い人生を共に歩むパートナーで、お互いに支え合いながら進むことをイメージして頂きます。

~まとめ~

何度もお伝えしますが、結婚はゴールではなくスタートです。急ぐ必要はありません。一緒に歳を重ねたいと思える人を見つけるためには、自分の心に正直に、相手をしっかり見つめ、誠実に向かっていきましょう。

自分がどんな人生を歩みたいのか、そのパートナーとどんな未来を描きたいのかを考えることが大切です。自分を知ると、相手にも素直に向き合えるようになります。

完璧な人なんかいません。お互いの欠点を受け入れ支える人が理想のパートナーです。長い結婚生活では、思いやりや柔軟性が何よりも大事です。

これらの仲人の言葉は、婚活中の不安や迷いを和らげ、前向きな気持ちを持たせてくれるものと思います。

会員様へのどのアドバイスも、とてもシンプルですが、深い思いを込めてお話をさせて頂いております。