結婚相談所の仲人として、今年で27年になります。
川崎市と横浜市にお住まいの方を中心に活動しておりますが、親御様から地方へ転勤になった息子さんのご紹介もあります。
中には、海外赴任の方のご紹介もありました。更に川崎市や横浜市にお住まいの会員様が、婚活途中で地方へ転勤になり、そ
の地域で引き続き婚活を始めた例もございました。
当「川崎生田相談室」が所属している連盟の組織は全国にあります。
どの地域にお住まいの方ともお見合いや交際、そして結婚もできますので、どの地域にお住まいでも転勤になっても婚活ができます。そちらはご安心して頂ければと思います。
今回の例は、交際途中で転勤になったお相手男性に、ついて行くと決断した女性のお話です。
~嘘は言えない、甘えられない~
当川崎生田相談室に登録した女性会員様は地方公務員でしたが、大変優秀な方で責任ある立場の仕事をしておりました。
しかもその仕事に魅力を感じていましたし、周りからも有望視されていましたので、例え結婚はしても仕事を続けるのが、譲れない条件のひとつでした。女性は可愛いし優秀な方でしたのでお見合いは組まれましたが、交際になってもすぐお断りされてしまう事が多かったのです。それでも何度かお見合いをし、挑戦し続けました。
男性からのお断りの理由は、ほとんどが女性には厚い壁を感じる、近寄れない存在だ、散策した時に周りの雰囲気も加わって手を繋ごうとしたのですが、女性からの圧が感じられ手を引っ込めてしまったというのです。
彼女は当相談室の会員様でしたので、過去に失敗した経験でもあればそれを男性にお伝えする事で、しっかり見えてもおっちょこちょいなところがある女性なのだ、可愛い所のある女性だ、自分が守ってあげたいな!と、2人の距離間がグンと縮まることをお伝えするのですが、「人にお話するような失敗もないですし、わざわざ話すような事でもないですから」と、跳ね返えされてしまいました。
それではと、たとえ自分には簡単にできるようなことでも男性の手を借りるとか、助けてもらうことで、男性もこの女性には僕が必要だと喜んで手を貸してくれると思う。そのような事をお伝えしても、「私は嘘をつけません、甘える事はできません」とはっきりと仰るのでした。そんな繰り返しの中である日、環境が似ている男性と交際になりました。その方とは順調に交際が続き安堵していた矢先、男性は突然転勤を命ぜられ、高知県へ行く事になりました。さあ!大変です!!
女性は、仕事を取るか、その方との交際を諦めるか、瀬戸際に立たされることになりました。
~男性が憧れる女性は案外モテないもの~
とても綺麗で頭の回転も良く、仕事も次々手際よくこなし、そして大変優秀、その上、身のこなし、センスの良さは抜群!このような女性でしたら男性の誰もが心密かに憧れると思います。
きっと近寄ってくる男性を、次から次へと払いのけ、どんな素敵な男性なら射止めることができるのか、注目の的になっていると思われるかもしれません。ところが、実際には誰も誘いかける方がいらっしゃらないのです。
男性としては、欠点らしきものが見つからない、付け入る隙がない、近寄り難い女性と思ってしまうのです。
声をかけづらい、話す機会があっても躊躇してしまう、女性には大きな厚い壁があり、男性の思いが届かないのです。
入り口が見つからないのです。
~考えすぎるから、その恋はうまくいかない~
恋のできない人は考えすぎか、慎重すぎで臆病だと思います。
でも好感を抱いた人は、恋人同士となるキッカケがある人で、積極的に交流を通してみれば、恋愛の世界が開ける可能性があります。ためらっているうちに機会を逸してしまわないように。
これは、相手の短所ばかりを見つけて、品定めをしているからかも知れません。
自分自身はどうなのか、よく振り返ってみると良いと思います。
自分の姿を鏡に移して、客観的に分析してみるのも良いでしょう。
性格や行動様式についても反省してみると、実は欠点ばかりです。
自分は不完全である点をよく認識した上で、人のことを言うべきです。
恋愛の進行中でも、2人の仲がスムーズに進行していれば、このままで良いのかなと考える時があります。
心にちょっとした揺れが起こる、その時にあまり分析をしすぎると2人の中に水を差す結果になります。
とにかく自分も不完全な人間である点を思い起こして、謙虚に考えていけば、現在の自分の幸せを大切にしていこうと考えるはずです。ここでも考えすぎはいけないし、慎重になりすぎてもいけないと思います。
恋の世界で優柔不断はマイナスの結果をもたらす場合があります。
~結婚相談所の進め方~
結婚相談所では、お相手のプロフィールを見て、お写真や条件、自分に合っているかどうか判断しながら、お見合い申し込みをすることができますし、お相手からもお申込みがきますので、双方で了承すればお見合いになります。
お見合い後交際希望でしたら、プレ交際に入ります。
更に発展した交際は真剣交際となり、お互いに結婚に向けた具体的な話をするようになり、お気持ちを確認して成婚へとなります。
~自分の色を!~
プロフィールのお写真や希望条件、自己PRなどを見て、自身の好みの方でしたらお見合いに進み、たとえ隙がない人でも、ひと通りいっぺんのお付き合いはできます。
でも、お相手の内面的な部分に入っていくことができないので、打ち解けた付き合いはできないのです。
自分の周りをぐるりと硬い壁のようなもので固めているのです。
もちろん、本人としては、堅い壁を作っているという意識は無いと思います。
成長する段階で、そのような性格が形成されただけだと思われます。
他の人に、近寄りがたいとか、心を開いていないとか、冷たい感じがするとか言われたら、自分が人に対して隙を見せていないと思って良いと思います。
自分では違うと思っていても、よく考えてみれば、なんとなく人に敬遠される傾向があることに気がつくと思います。
そこで、お高く止まっていると言われないようにと、人に優しく働きかけていこうとします。
さらに気をつけて下手に回るように努力をしてみる。
しかし、そのような心がけだけでは、多分状況は全く変わらない。自分の色を見せない限りはダメだと思うのです。
隙を見せる方法の1つは、自分の失敗をお相手に見せることです。
失敗は誰でもします。過去の失敗の例でも、最近の事例でも、ちょっとしたことでも、おっちょこちょいしたことでも良いのです。思い当たる節は必ずあると思います。しかし、自分の失敗については、できれば人に知られたくないと思うことは、人間の無理からぬ心情でもあります。しかし、そこで失敗を隠したりしようとするので、それが結果的に自分を外に対して固める結果になっているのです。もちろん、わざわざ人の前で失敗をして見せる必要は無いので、何かの機会に自分が過去にした失敗について話をすれば、それだけでかなり事態は変わってきます。
他の人の意識に立ちはだかっていた壁に、穴が開いたようなものです。
それまでは冷たいと思っていた人が、突如として自分と同じような失敗をしている。
それは愛すべき人になります。
同類であると認識されるのです。
~根雪を解かす大地のような~
話は戻りますが、交際になった男性は急遽転勤になり、結婚後仕事を辞めない条件の女性は、当然ながらとことん悩みました。今まで培ってきた経験と周りからの期待、そして何より誇りに思っていた仕事です。
定年まで絶対やめないと、就職したころからの目標でもありました。でも今交際している男性は、女性の頑な心を少しずつ剥がしてくれる存在でした。共通の話題もあり、家庭環境も似ているので、今度こそ違和感なく飛び込めそうだと思うようになっていました。
そして何より、今までデートの時の服装を選ぶ際に、こんなに悩んだことがなかったくらい、鏡を見ては迷い、親にも見てもらっては悩み、デートがこんなに楽しいとは、今までなかった感情でした。
男性も、女性が変わっていく様子を見落とすことなく、尊敬から愛情に代わり、女性にとっても、人生には絶対なくてはならない存在の男性になっていました。やがて二人は成婚への道を進めることになりました。
問題は、女性が仕事をどうするかです。仕事は大好き、でも彼の方がもっともっと大好きな人です。このご縁は絶対離したくありません。女性が職場を辞める決心をしたのは、そうは時間がかかりませんでした。すぐに退職はできないので、仕事が終わった金曜日の夜、新幹線で彼が住んでいる高知県へ行き、日曜日の夜に帰宅する生活が始まりました。
その生活は半年後の退職するまで続きました。やがて正式に結婚式を挙げ、高知県での生活が始まりました。
~隙とは余裕の事?~
恋愛マニュアル本などによく書かれているものに「隙」というのがあります。
隙のある女性の方がもてると良く書かれていることがあります。ただ隙という正体はわからないものです。
美人なのにもてない女性、かっこいいのになぜかもてない男性、きっと異性が付け入るスペースがないという意味だと思います。そのスペースとは人に好かれる自信だと思います。
待ち合わせ場所を間違える、携帯を忘れてちょっとだけ友人に借りる、お財布を忘れてご馳走してもらう羽目になった人の方が、愛されやすく友達も多いものです。以外にも本質はシンプルなのかもしれません。
人として相手を受け入れる余裕、すぐ怒ったりしない余裕、相手の話をちゃんと聞く余裕、何か困っているときに一緒に考える余裕、その余裕こそが「隙」なのだと思います。あなたも「隙」について考えてみてください。風穴をあけてくれる方が見つかるかもしれません。