新規の面談の際に結婚希望者の入会を考える理由の一つに「出会うチャンスが無いのです」と、多くの方のお話があります。

職場で、サークル活動で、趣味の仲間でと、昔に比べたら出会うチャンスは圧倒的に多いはずなのに、男性も女性も出会いがないと切実に訴えています。

ひと昔の女性の場合、まだお相手の見当もつかないのに20歳を超えたら花嫁修行といって料理、華道、茶道など年頃になるとお稽古に励みました。

そしてご近所の世話焼きおばさんの紹介でお見合いを数回ぐらいして結婚をしていた方が多いと思います。昔のように女性の社会進出が進まなかった時代は、男性と出会うチャンスも少なかったと思いますが、今やほとんどの女性が学校卒業後就職して社会に出ているのに、出会うチャンスがないというのは不思議なことです。

恋愛とお見合い、どちらで結婚する数が多いかと言えば、今は、恋愛結婚が圧倒的に多いですが、昔は殆どが仲人と親が決めたお見合い結婚が主流でした。

恋愛結婚は本当に珍しかったと思います。

恋愛結婚は先に好きだという感情から入っていってしまうので、盲目的になってしまう傾向性もあります。

せめて片方の目でお相手を見る余裕があればよいのですが、たとえ親兄弟から反対されても貫いてしまうこともあると思います。

それに対してお見合い結婚は冷静にお相手を分析し、自分と比較しながらいろいろな面から総合的に判断する余裕があります。感情が先ではないので、たとえば親兄弟から反対されても冷静に判断することができます。

お見合い結婚が良いとか、恋愛結婚が良いとか、そういう観点ではなく、どなたも自分に合う方法を探してみれば良いのですけど。

~結婚相談所の実例~

20代半ばの女性Dさんから入会の説明を受けたいと連絡があり、川崎生田相談室の事務所でお話を伺う事にしました。

仲人の話を最初は頷きながら聞いてくださいましたが、だんだん気持ちが込み上げてきたのか泣き出してしまいました。何か理由があると思い「良かったらお話を聞かせて」と促したところぼちぼち話し始めました。

Dさんの話によりますと、ある男性と交際をしていたそうですが優しくて素敵な男性でしたので、結婚を意識しての交際が1年続いていたそうです。

交際していく中で、仕事の話になるとうやむやな態度と、前に聞いた話とずれもあったようですが、彼に確認する勇気もなく彼を信じたい気持ちが優先してしまい、不安ながらもずるずると続いていたそうです。

彼に自分の親にも合わせたいと思って一度親に会って欲しいとお願いをしたところ、それも今度今度と実現しなかったそうです。

Dさんは、彼と一緒に居る幸せを感じながらも不安が募ってしまい思いっきり彼に、「何か私に隠し事はないの?もしあったら隠さず話して欲しい」と覚悟を決めたかのように迫ったところ彼はボソッと「実は仕事をしていない」と話したそうです。

彼とは何でも話していたようだけど、今考えてみたら仕事の話は一切なかった、どんな仕事に就いているのかも知らなかった、職場の同僚や先輩の話の1つや2つあっても良いはずなのに彼の口から聞いたことがなかったと・・・

いや、聞くのが怖かったのかもしれません。

仲人としてはもう1つ不思議なことがありましたので、Dさんに尋ねました「デートに行ったときにお食事もしたでしょうし、いろいろお出かけもしたでしょう?

その時の代金は誰が出したの?割り勘だったの」と。

Dさんは殆どデートの費用は出さなかったようでした。

お金がなくて困ったことはなかったので、まさか彼が仕事をしていないとは、考えもつかなかったようでした。
あとで聞いた話だったようですが、彼は裕福なご家庭の息子さんで、生活費やデートに使うお金には何不自由なく使えたそうです。

交際をして1年、彼が大好きになったDさんでしたが、結婚を意識している女性と交際している男性が、働かない理由を教えることもなく、これからは働くよといった言葉もなく、Dさんは将来を考えて泣く泣く別れることを決めたようでした。

それでも彼が忘れられず辛い日々を送っていましたが、このままではダメだと思い立ち、忘れる方法として結婚相談所で新しい出会いを見つければ別れた彼の事も忘れるだろうと思ったそうです。そして入会しました。

どちらかというと甘えん坊のDさんでしたが、誠実で優しく可愛い女性でしたので、お見合いはすぐ組まれ、3人の方とお見合いをし、そのうちの1人の方と交際となりました。

仲人としては、やっと元気になれるかな?良かった良かったと思っておりましたし、交際も順調にも進んでいたようにも思えましたので、ほっとしておりました。

が、別れた彼とどうしても比較してしまう、どうしても彼を忘れることができないことに、結婚相談所で出会ったお相手に申し訳ない気持ちと、自分の心に正直ではないのに良いのだろうかとDさんは苦しんだのでしょう、まもなく結婚相談所を退会しました。

結婚相談所を退会したその後のDさんの様子は、わからないままになっていますが、仲人としては、幸せになって欲しいと陰ながら祈るしかありませんでした。

~仲人は黒子です~

今は恋愛結婚が多いですが、中にはどうも恋愛がうまくいかないとか、恋愛が性に合わないという人がいらっしゃいます。異性と何を話したらよいのかわからない、デート先を決めるのにどんなふうに決めたらよいのかわからない、デートで使うお金の配分はなどなど考えていたら面倒くさくなった、1人の方が気が楽だと。

それでもこの先ずっと1人で生きていくのも不安だし、両親には孫を見せたいし安心もさせたい、でも今は恋人がいるわけでもなく、この先必ず結婚相手と出会う保証もない、そのような方には結婚相談所の門をたたいてください。

結婚相談所には仲人や結婚カウンセラーといったアドバイザーがいます。

お見合いやデートの時のアドバイス、更には異性についての考え方や違いなど、婚活で起るいろいろな感情や思いなど勉強をしていますし経験もあります。

ましてや長い間多くの事例を体験してきた仲人の強みは、きっと共感して頂けると自負しています。

婚活でわからないこと、不思議に思っていること、これで良いのか背中を押してもらいたい人などは、仲人に結婚のアドバイスやサポートを求めれば良いのです。

恋愛結婚が良いと思っている人も、一度はお見合いに目を向けてみるのも良いのではないでしょうか?

もしかして人生が変わるかもしれません。

「恋愛は100%から落ちていく、お見合いは0%から上がっていく」

そんな言葉を聞いたことがあります。

出会って恋に落ちて交際を始めるのと、お相手を選び出会った相手を愛していくのでは、人生に対する責任が違います。昔のように高級料亭で待ち合わせするようなお見合い形式には、今の若い人たちは抵抗があるでしょうが、結婚相談所では、お見合いの場所にホテルのティーラウンジを使うことが多いです。

お見合いで会うのは、あくまでも本人同士で親御さんの同伴もありません。
むしろ親に紹介するのは交際が進んで結婚を視野に入れてからで良いのです。
仲人の仕事は、とにかく会員同士のお見合いを組むこと。その後は恋愛相談に乗ることはできても、基本的には本人同士の事と割り切っています。

稀にですが、結婚式に呼ばれる時もありますが、会員様の中には結婚相談所で知り合ったと人に結婚に至ったことを知られるのを嫌がる傾向もあります。

やはり知り合って恋愛をして結婚が決まりましたと言いたい、晴れの新郎新婦が結婚相談所に入ってこの人を選びましたとはちょっと言いにくいのかもしれません。

結婚が決まったら、一刻も早く仲人と縁を切りたい、お見合いの痕跡を残したくないという方もいらっしゃいます。

現に女性の親御さんから、こんなふうに言われたことがありました。

「お陰様で無事結婚式を終えました。ありがとうございました。このような素敵な男性と娘が結婚できたのは仲人さんのお陰です」と。

更に結婚式に参列した知り合いからは「省庁に勤務している彼とはどこで知り合ったの?娘さんとは接点がなさそうな彼なのに」と聞かれたそうです。

その知り合いにも結婚をした娘さんと同じ年ごろの娘さんがいるので、本来なら教えてあげたらよいとはわかっているのですが、結婚相談所で知り合ったのとは言えず、喉まで言いかけたのですが教えることはできませんでしたと。

知人に結婚相談所で出会ったことを教えてあげられない気持ちに、心で詫びながら、話をしてくれました。

仲人とはそれで良いと思っています。

あくまでも黒子になって、皆さんの結婚のお手伝いができれば良いのです。
仲人は縁の下の力持ち、結婚報告を聞くのが何よりも嬉しいのですから。

~仲人は出会いの架け橋~

仲人になってから26年経ちますが、初めの頃はお見合い結婚と言っていたのを、最近は婚活をすると言うようになりました。

結婚に向けて積極的に活動をする、出会いは待っているものではなく求めるものだと、それが婚活というようになったのだと思います。

出会い系サイトには、必ずでは無いにしても思わぬ危険が潜んでいることもあり、本人を確認できるようものを提出し無ければ入会できない結婚相談所が、最近は当たり前のように存在するようになりました。

結婚相談所には、仲人または結婚カウンセラーという名称で、結婚を望んでいる人に向けて出会いの場をつくります。

昔は、どこの町にも必ず何人かのお世話好きなおばさんがいて、知り合いの若い人を見つけては、あれこれお節介を焼いたものでした。「性格が良いので、この人が良いと思うよ」「家柄も合っているし、条件もピッタリなのでお勧めの人よ」など、お見合いを進めては結婚迄お世話するのです。

親も仲人さんを信頼してある程度お任せする所もあったので、たちどころに結婚は決まったものでした。

しかし今は、どなたも妥協はしません。納得するまで結婚相手を選ぶようになっています。

そうなると、昔のような仲人おばさんの人脈では追いつかなくなります。

ご近所で、1人、2人とお世話する時代は終わりました。
これからのお見合いは、ITを使って活用するスケールの大きなものになります。
親が乗り気でも本人が嫌ならお見合い後の交際はお断りしますので、親のいう通りにはなりません。
親はいろいろ注文をつけるよりも、とにかく子供に結婚して幸せになってほしい。親はいつまでも生きていないのだからと。

~結婚願望は今も変わらない~

お見合いに対する意識調査では、行政や民間のどのアンケートでも、「今すぐ結婚したい」「いずれは結婚したい」と、結婚願望の方は90%います。

「一生結婚したくない」という方は約5%、良いお相手さえいれば結婚すると思っている方が圧倒的に多いのです。

最近よくテレビでカリスマ仲人といわれている人が、時々テレビに登場しますが、途端にその結婚相談所に問い合わせが殺到しているようです。

もし世の中の大半の人が「私は結婚してもしなくても構わないわ」という考えだったら、マスコミに取り上げられる位で、これほど大きな反響は無いはずです。

普段の結婚相談所の広告では、入会なんか考えもしなかった人が、お金を払って結婚相談所に行くなんてと否定的な人が、テレビを見て「話しだけでも聞いてみようか?」という気になります。

まだまだ世の中には結婚したい人が大勢いる証だと思います。

~まとめ~

日本人の独身の方で「機会があれば結婚をしたい」、「出会いに興味がある」というのは、40代半ばまでは半分いると言われています。

そのうち結婚相談所を利用している人は、3%強という現状があります。
だからこそ仲人の存在をもっと世の中に知ってもらいたいと思います。
昔のように仲人は絶対的な関係性でもなく、堅苦しくもありません。
今の仲人は気軽さもあり、相談に乗り一緒に考えてくれ、堅苦しさは一切ありません。
結婚相談所を選ぶ際にも、入会時に多額なお金を支払うのではなく、成功報酬型の料金体系の方が望ましいと思います。

大手の結婚相談所の担当者制は担当者が変わることもあるので、個人の少人数の結婚相談所は仲人が成婚するまで変わることなく担当するので関わり方が違うと思います。

厚生労働省が先日発表した人口動態統計の確定数によると、2023年における日本国内の婚姻件数は47万4741件となり、婚姻率は、0.39%となる事が分かった。

これは前年2022年の値の0.41%から0.02%ポイント低い値になるそうです。

婚姻率の減少は短期的には経済的な問題、そして中長期的には男女の価値観の移り変わりや社会環境の変化が影響していると考えられるのだそうです。

結婚できない理由が経済的な問題にしても、男女の価値観が違っても、仲人や結婚カウンセラーが総合的に判断し、会員様と熟慮することで結婚はできると思っています。

恋愛結婚で幸せになってほしいですし、お見合い結婚でも恋愛結婚に負けないくらい深い愛情で、立派なご家庭を築いていっています。

今まだ出会いのない方、結婚のキッカケがあれば結婚したい方、結婚してもしなくても良いと思っている方、ぜひお見合い結婚の門をたたいてみてください。